「書いて生きていく プロ文章論」(上阪徹 ミシマ社 1,600円+税)
最近「文章術」的なものを読んでいますが、今年に入って3冊目の文章術の本。
「言葉のちからをつくる本」、「三行で撃つ」とはまた違うアプローチです。
文章を書くという話なのですが、谷さんの著書「公務員のための伝わる情報発信術」とも内容が重なります。
この本のテーマは、文章で「伝える」ということ。
読み手に何を伝えたいか、感じてほしいか、読み手の立場に立って考えようというものです。
これは、谷さんの本の「伝える前にきちんと考え方を整理しよう」と同じですね。
文章を書く前に誰に向かって書く文章なのか、読み手が知りたいことを想像しているか、読み手に発見があるかなど事前準備の大切さを説きます。
これをベースに、読みやすい文章などの技術が乗ってくるのだと。
文章に限らず、チラシ作成、ホームページ作成でも同じですね。
そして、今本で何度も出てくる「相場観」。
ニュアンスを伝えるのが難しいのですが、読み手がどういうものに興味を持ってもらえるのかの「相場」があるというのです。
金融・証券の分野で使われる言葉ですが、それを文章術に転用しています。
優しすぎると馬鹿にされている、幼稚だと感じるし、難しすぎると読み進めてもらえない。
この微妙な相場を感じる「相場観」が大切なのだと。
ちなみに「観」は主体的判断が入っている場合に使い、「感」は感じがあるという状態を表現する場合に使うのだそうです。
読者のイメージは持つようにしていましたが、相場観という言葉、妙に腹落ちしたのでした。
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