「同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか」
(鴻上尚史 佐藤直樹 講談社現代新書 840円+税)
読了しました。
鴻上尚史さんと佐藤直樹さんの対談です。
さくっと一気に読めてわかりやすかった。
「世間」と「社会」についての考察は興味深いです。
息苦しさの正体は『同調圧力』で、それは自分が属する「世間」を守るために発動するもの。
「世間」に属する個人が、世間のルールに従って判断し行動します。
コロナ禍にあって、同調圧力のマイナス面が明確なかたちで現れているという指摘にも納得です。
日本語に性別の差が見られる点は目から鱗でした。
同調圧力には安心もありますが、息苦しさもあります。
そのバランスが難しい。
行きすぎると、今の自粛警察や感染者差別に繋がって行くという訳です。
息苦しさから脱するためには、自分が属する「世間」の数を複数に増やして「世間」の風通しをよくすること、複数の弱い世間に所属することが有効だと指摘します。
佐藤さんの指摘する、世間を構成する4つのルール。
- お返しのルール
- 身分制のルール
- 人間平等主義のルール
- 呪術性のルール
なるほどなぁと思いました。
鴻上さんが指摘する世間の特徴5つにもなるほど。
- 贈り物は大切
- 年上が偉い
- 同じ時間を生きることが大切
- 神秘性
- 仲間外れを作る(拝他性)
息苦しさの正体がわかると気が楽になりますよね。
対処の仕方も見えてくる。
この息苦しさは、自分が悪い訳でも、責任がある訳でもない。
がんじがらめに縛られている糸を、少し緩めるきっかけになると思います。
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