2019年1月12日土曜日

「公務員の『課長』の教科書」

「公務員の『課長』の教科書」(松井智 学陽書房)

読了しました。

気になっていた本でしたが、もう課長になって7年目。
今さら…という気持ちもあり躊躇していました。



でも昨年末、とある寄合で著者とお会いする機会があり、
その語りの柔らかさと引き出しの多さに惹かれ、
遅まきながら読ませていただきました。



まず、前書きにある言葉に引きつけられます。
『さぁ、皆さんも、課長として、自治体を運営する醍醐味を感じることができる、「楽しくて、充実した管理職の旅」に出ることにいたしましょう』。
爽やかで、温かく、心強い言葉に、多くの新任課長は背中を押されたのではないかと思います。

冒頭から「あまり力まないでスタートしよう」と優しく声をかけていますが、読み進めるとなかなか厳しい励ましも。(笑)
異動後、「担当業務の概要をつかむ時間の目安は、係長は7日、課長は3日。」とバッサリ切りこみます。
確かに課長の大きな仕事は「決断」です。職務の概要もわからないまま決めることはできません。また、議会対応のすぐにやってきます。
まだ、2か所目の新米ですが、共感する指摘です。

また、大きな転換はプレイヤーからマネージャーになること。
どうしても自分で動きたくなるものですが、係員を信頼して、成果を期待して、任せるということが大事ですね。なかなか難しいのですが。。。

さらに「何をしないかを示そう」というくだりにはハッとしました。
どうしてもあれもやろう、これもやろうといろいろ増えていきがちです。
一方で、これまでの業務はなかなかやめられない。
「あったほうがよいもの」は「なくてもよいもの」と決め、捨てる勇気も管理職には必要と説きます。
あった方が良いといって部下に仕事をお願いすることは、無駄な仕事をさせているということにつながります。
この言葉は、心にとめておきたいと思います。

最後に「発信力を高めよう」というものがありました。
課長になると説明会や議会などで発言の機会が増します。
伝わる話し方ができることは「大きな武器になる」というのです。
確かに、わかりやすく伝える技術を持っていることで、格段と仕事は進めやすくなります。また、相手との関係も良好になるでしょう。
しかし、これをわかっていない管理職が意外に多いことも事実。
私は係長時代に職員研修所の「講師養成研修」を受講しました。
その際に登壇実習として実際に人前で話し、プロからいろいろな指摘をいただきました。
話す際のくせ、仕草、間、目線、姿勢などなど。
この時の指摘は、自分の木がつかなかったことばかりで、とても参考になりました。
また、弱点、マイナス点を意識することで、人前で話すことに自信が持てた気がします。

他にもたくさんの気づきがあったのですが、あとがきからの引用を。
ドラッカーの言葉を借りて、「マネージャーは真摯であれ」と説きます。
真摯さの欠如として
 ①強みよりも弱みに目を向ける者
 ②何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者
 ③真摯さよりも、頭の良さを重視する者
 ④部下に脅威を感じる者
 ⑤自らの仕事に高い基準を設定しない者
の5点をあげます。

『真摯さ』・・・自分にとって足りないものの一つです。
これから自分自身の戒めとして噛みしめたいと思います。

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