2019年1月16日水曜日

「財政課のシゴト」

財政課のシゴト」(林誠 ぎょうせい)

読了しました。



小平市職員自主研究グループK-upにもゲストスピーカーで来ていただいた所沢市の林さん。
たくさんの本を出していますが、今村さんの財政出前講座を読んだので、せっかくだから財政の本をもう一冊!と思い、手にしてみました。
林さんはブログを毎日お書きになる方。読書量も半端なく多く、尊敬する公務員のお一人です。

この本はタイトルにある通り「自治体の仕事シリーズ」ということで、財政課の仕事に就いた方を対象に書かれています。
というわけで、財政課などの官房系に縁のない私は縁のない本だと思っていました。
しかし、読み進めると、少し違う。。。

もちろん、財政課の業務、一年間のサイクルなど丁寧に書かれているので、財政課への異動に不安を持っている人、財政課に行ってみたい人にはとてもわかりやすい。
しかし、財政課に縁がない人にもとても参考になる本でした。

財政課がどのような業務をしているのかは日ごろよくわかりません。
どういうことを考え、何を参考に、どのような基準で査定するのか、
そんな一端が少し見てた気がします。

さすがにこの歳になると知っていることも多く書かれていましたが、やはり、相手の思考のプロセスを知ることだ大事。
相手の視点を知ることで、いろいろな戦略が立てられますし、結果についてのこちらの納得感もあがります。
あらためて良いタイミングで読ませていただきました。
今村さんの「財政が厳しいってどういうこと?」と合わせて読むと、良いかもしれません。
財政愛あふれる人になるかも?(笑)

実は私。一部事務組合から戻る際の希望で“財政課”を書きました。
派遣から戻るときは「希望がかなう」という噂があったので、少し期待していたのですが、異動先は全く希望していなかった産業振興課でした。ww
噂は噂ですね。

林さんは、「事業を持っていない財政課職員だからこそ現場に出る」ことを進めています。
計上した予算がどのように使われているのか、活きた予算となっているのか、肌で感じることができるからです。
官房系ではなくイベント系の私ですが、残念ながら、うちの財政課の職員、イベントであまり見かけないかなぁ。。。(> <)

またコラムがとても面白い!
「名刺を持たない?」「思考停止はダメ」「財政課のしあわせとは」など公務員の心得が書かれています。
「ブログのススメ」にあるとおり書くことって大切だなぁと最近思っています。
というわけで、林さんは毎日の投稿をご自身に課していますが、私は不定期に書き続けられれば。。。

2019年1月12日土曜日

「公務員の『課長』の教科書」

「公務員の『課長』の教科書」(松井智 学陽書房)

読了しました。

気になっていた本でしたが、もう課長になって7年目。
今さら…という気持ちもあり躊躇していました。



でも昨年末、とある寄合で著者とお会いする機会があり、
その語りの柔らかさと引き出しの多さに惹かれ、
遅まきながら読ませていただきました。



まず、前書きにある言葉に引きつけられます。
『さぁ、皆さんも、課長として、自治体を運営する醍醐味を感じることができる、「楽しくて、充実した管理職の旅」に出ることにいたしましょう』。
爽やかで、温かく、心強い言葉に、多くの新任課長は背中を押されたのではないかと思います。

冒頭から「あまり力まないでスタートしよう」と優しく声をかけていますが、読み進めるとなかなか厳しい励ましも。(笑)
異動後、「担当業務の概要をつかむ時間の目安は、係長は7日、課長は3日。」とバッサリ切りこみます。
確かに課長の大きな仕事は「決断」です。職務の概要もわからないまま決めることはできません。また、議会対応のすぐにやってきます。
まだ、2か所目の新米ですが、共感する指摘です。

また、大きな転換はプレイヤーからマネージャーになること。
どうしても自分で動きたくなるものですが、係員を信頼して、成果を期待して、任せるということが大事ですね。なかなか難しいのですが。。。

さらに「何をしないかを示そう」というくだりにはハッとしました。
どうしてもあれもやろう、これもやろうといろいろ増えていきがちです。
一方で、これまでの業務はなかなかやめられない。
「あったほうがよいもの」は「なくてもよいもの」と決め、捨てる勇気も管理職には必要と説きます。
あった方が良いといって部下に仕事をお願いすることは、無駄な仕事をさせているということにつながります。
この言葉は、心にとめておきたいと思います。

最後に「発信力を高めよう」というものがありました。
課長になると説明会や議会などで発言の機会が増します。
伝わる話し方ができることは「大きな武器になる」というのです。
確かに、わかりやすく伝える技術を持っていることで、格段と仕事は進めやすくなります。また、相手との関係も良好になるでしょう。
しかし、これをわかっていない管理職が意外に多いことも事実。
私は係長時代に職員研修所の「講師養成研修」を受講しました。
その際に登壇実習として実際に人前で話し、プロからいろいろな指摘をいただきました。
話す際のくせ、仕草、間、目線、姿勢などなど。
この時の指摘は、自分の木がつかなかったことばかりで、とても参考になりました。
また、弱点、マイナス点を意識することで、人前で話すことに自信が持てた気がします。

他にもたくさんの気づきがあったのですが、あとがきからの引用を。
ドラッカーの言葉を借りて、「マネージャーは真摯であれ」と説きます。
真摯さの欠如として
 ①強みよりも弱みに目を向ける者
 ②何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者
 ③真摯さよりも、頭の良さを重視する者
 ④部下に脅威を感じる者
 ⑤自らの仕事に高い基準を設定しない者
の5点をあげます。

『真摯さ』・・・自分にとって足りないものの一つです。
これから自分自身の戒めとして噛みしめたいと思います。

2019年1月11日金曜日

大杉先生講演会~長期総合計画策定に向けて

少し報告が遅くなりましたが、昨年の12月26日に首都大学東京の大杉覚先生が小平市役所に来ていただきました。
大杉先生とは、全国地域リーダー養成塾(主催:地域活性化センター)のご縁で親しくお話させていただいています。
出向中の身ですが、休暇を取り、聴講させていただきました。



職員向けの研修にご登壇いただいたのです。
小平市では次期長期総合計画の策定作業に着手したところですが、職員向けに計画づくりの視点などの講演をいただきました。

たくさんの気づきをいただいたのですが、忘れないためにいくつかメモしておきたいと思います。

~・~・~・~・~・~・~・~
大杉先生は、「総合計画を策定する意義」として次の3点を挙げます。
 ・政策の体系化による行政の総合化
 ・持続可能な自治体経営の確立
 ・地域づくりのベクトル合わせ

総合計画は「総花的」と言われますが、自治体はある単独の事業だけを行っているわけではありません。様々な事業を展開する必要がありますが、その基幹的、中心的な総合計画があるからこそ、他の事業が体系的に展開できる。

戦略的な対応をするためには3つの手法が必要。
「オーバーホール」「バックキャスティング」「SDGs」である。

行政にもイノベーションが必要。とかく変わることへの抵抗感があるが、歴史を見れば行政は変わり続けている。
イノベーションには「プロダクト・イノベーション」と「プロセス・イノベーション」の二つがあり、行政では後者が大事。業務、手順の見直しなどプロセスをどのように最適化していくか。

これからはバックキャスティング。フォアキャスティングは、過去のものに積み上げていく、右肩上がりの時代の考え方。しかし、けずzるものがおおくなってきていてうんようがむずかしくなってきている。
右肩下がりの時代だからこそ、バックキャスティングを意識することが大事。

SDGsの達成が大事なのではなく、総合計画とSDGsを結び付けて「見える化」することが大事。共通のものさしで見える化することで、自治体だけではなく、企業などとの連携もしやすくなる。

参加・協働なくして総合計画なし。
地域にイノベーションを起こすための総合計画であってほしい。
総合計画は行政のためのものではなく、公共のための計画である。

~・~・~・~・~・~・~・~

長くなってしまいましたが、一番の収穫は「イノベーション」の整理でした。
イノベーションについては、インターミディエイター講座でその重要性、特性を学んできました。
ビジネスの側面からの学びが多かったのですが、ここでは自治体に焦点を当てていました。

ちょっと長くなったので、続きは次の機会に。


2019年1月7日月曜日

「アイディアの選び方」

「アイディアの選び方」(佐藤達郎 阪急コミュニケーションズ)

読了しました。
アイディアの出し方、企画の立て方などの本はよく見ますが、「選び方」というタイトルに惹かれました。



本のサブタイトルにある通り、「選び方」って難しいですよね。
アイディアだけではなく、いろいろな場面で「判断する」「選ぶ」「決める」という作業は、本当に難しい。
特に管理職になると、毎日が判断の連続。。。
管理職最大の役割が「決断する」と言うことなのかもしれません

「いつも最後は 多数決 で決めていませんか?」
筆者は問いかけます。
確かに多数決で民主的に決めたようだけどしっくりこない。
しっくりこないまま進めていくから、何となく成功しない。。。
こういうことってありますよね。

アイディアを出すこと、企画を立てることに気持ちが行きがちですが、
「決めること」「選ぶこと」もとても大切だと再認識しました。

そして「選ぶ・決める」には技術がいるのだと。

ダメなアイディアを選ばないように、選ぶ技術を知るということが大切です。
決め方の参考になりました。

いろいろ参考になるテクニックがあったので、今月末に登壇する係長研修でいくつか使ってみたいと思います。

やみくもに多数決で決めていた自分から、一歩進むために。

2019年1月6日日曜日

なぜ「言語化する」の?

今年、私が心がけたいこととして「言語化する」を掲げました。
その思いを論理的にまとめ、誰もが理解しやすいよう、外部化しやすいように明確化していきます。(言語化する)



ではなぜ「言語化する」ことが大切なのでしょうか?

1 理解が深まる
言語化することで、これまでの知識・経験との差別化、情報の体系化が図られます。
これは他人にとっても有効ですが、自分自身にとって、とても効果のあることです。
これまでの情報との比較やつながり、連携が図られることにより、理解が深まるのです。
また、活用する際にも扱いやすくなります。

2 対話ができる
言語化することで、アウトプットしやすくなります。他者に伝えることで、対話の中から賛同、意見、批評、批判などのフィードバック、新たな情報が得られます。

3 イノベーションが起こる
イノベーションとは「新結合」です。
異質なもの同士がつながることによって、新たなエネルギーを生み出したり、新たなものへと進化することです。
言葉として外部化することで、ヒト、モノとの新たな出会いが創出され、イノベーションが起こる可能性が広がるのです。

ちょっと、学者っぽくなってしまいましたが、こんな整理をしてみました。

言語化するということは、他人に伝えやすくなるということだけではなく、いろいろな効果、広がりがありそうな気がします。

2019年1月4日金曜日

「言語化」してみる

新年にあたり、「今年の目標」などと大きな宣言をしていないのですが、
今年、心がけようと思うのは、「言語化」です。
思いや考えをできるだけ「言葉」にしてみたいと思います。

実は私・・・イメージ先行で、言語化が苦手なのです。(> <)
アウトプットが感覚派・・・とういうことでしょうか?



「言語化」と漢字を見れば「ことばにする」というごくごく当たり前のこと。
しかし、これが難しいし、非常に重要なものと感じているのです。
「頭で考えていること」「心に感じていること」を外部化すること。
他人がきちんと理解する「言葉にすること」なのです。

講演会で話を聴いたり、本を読んだり、自主勉強会で交流・対話することで、いろいろな情報が入ってきます。(インプット)
入ってきた情報は、そのまま蓄積されたり、これまで蓄積された情報とつなぎ合わさったりして新たなものができたりします。(考える、感じる)
その思いを論理的にまとめ、誰もが理解しやすいよう、外部化しやすいように明確化していきます。(言語化する)

 インプット ⇒ ②考える、感じる ⇒ ③言語化する(アウトプット)

こんなイメージなのですが、どうも感覚的は私は①②で止まっていて、論理的な整理ができていないような気がしています。

見たり、聴いたり、感じたり、考えたりしたことを実際に言葉として外に出すこと。声や文章として外部化すること。
このアウトプットがとても大事だし、今年、心がけていきたいことなのです。