2019年2月12日火曜日

人を遺すは上なり

財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり」。
後藤新平さんの有名な言葉があります。
お金を残すことは「下」、仕事を残すことは「中」、一番上は人を残すことだ。
ということです。



「人財育成が一番大切なんだ」ということを表現するときによく引用されることばですね。

しかしこの言葉には続きがあります。
されど、財なくんば事業保ち難く、事業なくんば人育ち難し」。

つまり、お金がなければ事業の継続は難しく、事業がなければ人は育たない、ということです。

ということは、お金がないと人が育たないということですよね。
それでは、お金儲けでいいじゃん!となりそうなところですが、やっぱり違いそうです。
単になんにでも使えるお金を残すということではなく、そこに意思が必要なんだと思います。

人を育てるために、事業を残しましょう。それを継続するためにお金も残しましょう。という感じでしょうか?

その事業がどのように世の中に必要とされ、役立っているのか?
その事業を存続するために、どれくらいのお金が必要なのか?
そして、その事業をどうやって引き継いでいかなくてはならないのか?

この辺りをしっかり持っていないと「人を遺す」こともできないのかもしれません。

ドラッカーさんも5つの質問で残しています。
 「われわれの使命は何か?」
 「われわれの顧客はだれか?」
 「顧客は何を勝ちと考えるか?」
 「われわれの成果は何か?」
 「われわれの計画は何か?」

どこか通じるものがありますね。

2019年2月8日金曜日

広報カフェ オフ会inこだいら

2月1日(金)、自治体の広報担当中心に参加しているFacebookグループのオフ会が、小平市で行われました。
広報担当ではありませんが、せっかくの機会ですのでお邪魔させていただきました。

企画運営は、小平市広報担当のホープ。

彼女らしい雰囲気で始まりました。

広報担当ではありませんが、話をしてほしいと頼まれたので、地元市を代表して少しお時間をいただきました。
いただいたお題は「そもそも、つながる意味って?」。

他の3人は事例を紹介するということでしたので、前座として、事例ではないことを話しました。

広報担当が集まるので、今さら・・・とは思ったのですが、
「そもそも広報とは?」なんて大上段から!ww

ご存知の通り広報とは「Public Relations」の訳で略してPRです。
でも、PRを
 Promotion(プロモーション:販売促進)や
 Press Release(プレスリリース)
の略語だと勘違いしてる人が多い。。。

「Public Relations」 を広報と訳しちゃうのでわかりにくいのですが、
直訳で「社会の人々との関係」と考えると、
「関係」→「いい関係=信頼関係」を作ること、良いつながりをつくること、
なんですよね。

なんて話をしながら、私なりに「つながる意味」を3つお伝えしました。
スライドのイラストはもちろん「ぶるべー」です。


そして、久喜市、王寺町、足立区の事例発表がありました。
いや~、皆さん圧巻のプレゼン。
作画に全国で活躍する広報担当の方ばかりです。

その後にグループで対話。


進行は、河井先生です。


最後に、河井先生からキラーパスが。

「でも、つながると疲れるよね・・・」

いや~、冒頭でつながるって意味があるよね、良いことだよねとさんざん話したのに、まさかのパスが飛んできました。(笑)

しかし、ここが河井先生流!
「弱い紐帯」の話になったり、議論の幅、奥行きがぐっと広がりました。

そのあとの、懇親会も大盛り上がり!
小平市広報担当課長補佐が記憶をなくすほどでした!(笑)

実りの多い一日、ありがとうございました。

2019年2月7日木曜日

東京都市町村職員研修所 政策形成研修

1月29日~31日の3日間、東京都市町村職員研修所に行ってきました。

参加した研修は「政策形成」です。


この研修の対象は「係長職1年以上」。
以前は「係長現任研修」と呼ばれていました。
つまり、係長に昇任したてではなく、係長経験を何年か積んだ方々が対象。
今回も3~5年目くらいの方が中心だったと思います。

研修所の資料を見ると、この研修の目標は、
目標・テーマを通じて自治体の置かれた現状を把握し、自治体職員としての見識を深める。
・政策を立案するために必要な、論理的かつ多面的な思考・発想力の向上を図る。
・政策概要の作成を通して、企画立案・評価能力の向上を図る。
・グループワークを通じ、危機意識や改革意識などの気づきの醸成を図る。
ということです。

研修は3日間。
初日は、大学の先生からの基調講義。
今回は、首都大学東京の小原隆治さんからお話をいただきました。


1日目の午後から1クラス30人程度のクラスに分かれます。
私が担当したのは4組30人。(2人欠席でした)


この研修は、グループワークが中心です。
各グループで問題を洗い、課題を発見し、それを解決する政策案を立案し、プレゼンテーションを行うという流れです。
クラスごとに研修の流れを説明するところから、私の任務が始まります。

グループワークの進め方やプレゼンの方法などを具体的に話していきます。
気をつけているのは「研修の狙い、目標、今回体験してもらいたいこと」を明確に伝えるということ。
ただでさえ忙しい係長職。3日間も職場を離れるなんて大変です。
ですので、研修所に来たところらテンションは下がり気味。。。
ここで目標も見失うと、意識が路頭に迷ってしまいます。

クラス別講義は、パワポで行い、ベースのスライドは研修所で作成したものがあるのですが、この研修所の良いところは、講師のオリジナル資料を入れても良いというところ。
今回も、かなりのオリジナル資料をスライドに追加して臨みました。(笑)
 ※もちろん、研修所の方針から離れたものではありませんよ。。。

グループワークでは、付せんを使ったブレーンストーミングを行うとなっています。
ですが、実際にやったことがない職員も多いので、この辺りの説明を丁寧に、スライドを追加したりしているわけです。
今回も、付せんを使った「可視化した」議論が各グループで展開され、楽しいワークになりました。


実質1.5日しかない中で、各グループは現状分析、原因追究、政策立案と進んでいきます。
最終日の午後は、政策案の発表。
ここではプレゼン力を問われます。
そして、今回の研修の最大の役割、「プレゼンへのコメント」の時間がやってきます。
短い時間での政策立案ですので、政策案の内容を指摘しだしたらキリがありません。
今回の研修の狙いは、政策案の良し悪しではありません。
検討のプロセス(現状分析、原因追究、政策選択など)がしっかりできているか、プレゼンは「伝わる」ようになっていたか、この辺りを指摘するようにしています。
底での指摘が、現場での政策立案時に活かしてもらえればと思うのです。
とはいえ、研修ですので、指摘が多すぎても記憶に残りません。
ほめるポイントを多くして、指摘は1~2店程度にとどめるように心がけています。
でもじつは、この「ほめるポイント」を探すのが大変。
本当に集中して、良い点を見つけ出しています。
自分が研修生であったら、ほめられると嬉しいですよね。きっと記憶にも残ります。

各グループの発表が終わったら、研修のまとめ。
ここは案外自由に話してよいところなので、オリジナルスライドをたっぷり。
係長世代に伝えたいことをしっかりと話しています。
もちろん、研修の目標に沿った内容のことですよ。

どんなスライドを追加し、どんな内容を話しているのかは、私のクラスになった方限定。ww
運が良ければ、どこかで見られるかもしれません。

もう、7年くらいこの研修には登壇していますが、係長の気質もずいぶん変化したと思います。
私が歳を取ったせいかもしれませんが。。。


ということで、かなりの年数続けてきましたので、そろそろ研修所に飽きられているかもしれません。
来年度の登壇があるかな???

今年も楽しく研修させていただきました。
研修所の皆さん、研修生の皆さん、大変お世話になりました。

2019年2月6日水曜日

東京都市町村職員研修所 講師養成研修のススメ

バタバタしていて、しばらく間が空いてしまいました。

研修のことを振り返ってみます。

多摩エリアの自治体職員ならだれもが知っている「東京都市町村職員研修所」。
多摩地域の全市町村と島しょ地域の町村、全39市町村の職員を対象とする共同研修期間です。


運営は一部事務組合である「東京市町村総合事務組合」が設置運営しています。
新任研修、係長研修などの職層別研修や人事、会計、税務、などの実務研修、保育士、技術職向けの専門研修などを行っています。

ここでは、自治体職員が講師として登壇できる制度があります。
講師養成研修(基礎科)」を受講し、話し方、指導方法、プレゼンテーション技術などの基礎を学びます。
その後、科目ごとの講師養成研修を受講し、具体的なプログラム(新任研修:問題解決、現任研修(在職3年):政策プレゼンテーション、現任研修(在職7年)中堅職員の役割、係長新任:JST、係長現任:政策形成)を習得した後、登壇資格を得られるというものです。



私は、問題解決、JST、政策形成の3科目の登壇資格を取りました。
今年度は、7月のJST(係長新任研修)と今回の政策形成(係長現任研修)の2階登壇しました。


講師養成研修は、話し方のプロから学びます。
気が付かなかった話方の癖や配慮すべき事項など具体的に学べ、研修だけではなく、住民説明会、議会答弁などあらゆる場面で参考になることが多々あります。
ですので、係長職には「講師養成(基礎科)」を受講するように勧めています。
実習で受講生の前で話すのは少し恥ずかしいですが、得られるものは大きいからです。
単に「上手に話す」ことではなく「伝わるように話す」ということなのです。



さらに、実際に登壇するとなると、かなり予習することになります。
もちろん、業務時間外に準備するのは大変ですが、テキストを読み込んだり、参考資料を読んだり、WEBで調べたりする作業は、受講生の数倍も知識が定着します。
つまり、受講生の数倍も研修効果が高いのです。

研修のテーマをしっかり学び、伝えることを意識して話し、研修生からの質問に答え、研修生の発言、プレゼンにコメントを言う。

こうしてみると、とてもハードルが高そうに思うかもしれませんが、私でもできます。
そして、多くの自治体職員の仲間が実践しています。

機会があったら、登壇することをぜひ考えてみてください。


長くなったので、今回の登壇、研修内容については、あらためて。